東京高等裁判所 昭和57年(ネ)1625号・昭55年(ネ)2482号・昭58年(ネ)112号 判決
譲渡担保契約においては、担保物件の価格が少額であるとか、担保物件の価格が客観的に評価されて明確になっており、しかもそれが被担保債権額に比して著しい差違がないなどの特段の事情のある場合には、あらかじめ、清算を必要としない旨の特約をすることができるが、そうでなり限り、譲渡担保権が実行されたときは、常に担保物件の正当に評価された価格と被担保債権額との間に生じた過不足分の清算をすることを当然の前提として合意しているものとみるのが、当事者間の合理的意思に合致し、契約の本旨に沿うものというべきである。したがって、譲渡担保契約の当事者が、あらかじめ清算を必要としない旨の特約をした場合であっても、その趣旨は右特段の事情のあるときには清算をしないものとするにとどまるものと解するのが相当である。
(岡垣 磯部 大塚)